ドイツで守衛さんに怒られて感謝の気持ちでいっぱいになった(ホーエンツォレルン城にて)

最初に言っておくと、ゆりさんは運が良かっただけのただのバカです

この記事を読んで「へぇ、意外と大丈夫なんだ~」と勘違いをし、同じような真似をすることは絶対にやめてください

 

そこに行くことはドイツ旅行のメインイベントだったのです

ハンガリーからオーストリア、ドイツをめぐる旅行の終盤

最後の都市、フランクフルト2日目、今日はこの旅行のメインイベントと言っても過言ではない、あるお城への訪問が待っています

ホーエンツォレルン城

ホーエンツォレルン城の写真>

ドイツの3大美城に数えられる、天空の城です
(ちなみに他の2つはシンデレラ城のモデルとして有名なノイシュバンシュタイン城メルヘンな外見ながら一度も落とされたことのない、難攻不落のエルツ城

 

正直、3大美城というのは帰国してから知ったんですよね

それよりも、私がこのお城に行きたかった理由があるんです それは・・・

フルートを嗜む名将、フリッツ大王が治めた、プロイセン王国のお城だから!!!

 

プロイセン王国、カッコいいんです

前身が、ドイツ騎士団(正式名称、ドイツ人の聖母マリア騎士修道会)っていうだけで震えるのに(かっこよすぎて)

1701年に建国された、ヨーロッパではめちゃくちゃ若い国であるにも関わらず、
強国のオーストリアやフランス、ロシアと渡り合った最強の軍事国家

かと思えば、いつの間にかドイツの基盤(州)となり、歴史の表舞台からは消え去った国

 

そしてこの国旗

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なんだこれは!なんだこれは!! 

厨二心がうずく

かっこよすぎるでしょううううううううう

 

そんなプロイセン王国のお城がまだ現代に残っているっていうなら、そんなの行くしかない

というわけで、フランクフルトから片道3時間、ホーエンツォレルン城に向かったのでした

 

やらかしたのに気づいたのは2時間後でした

 さて、まずはフランクフルト中央駅(Frankfurt am Main)から
シュツットガルト中央駅(Stuttgart Hbf)まで向かい、列車を乗り換えたのちに
お城の最寄駅であるヘッヒンゲン(Hechingen)へ行きます
さらにそこから城門までバスに乗って向かうのです

このバスは観光シーズン以外は1日に数本しかないので、もしホーエンツォレルン城に行く方は注意してくださいね(フラグ)

 

シュトゥットガルト駅に着いた段階でドイツにしては珍しく電車が遅れ、乗り換えに15分見ていたものの、見事に乗り遅れました

次の列車は1時間半後、仕方がないので駅の周りをうろうろ探索すると、かわいいカフェを発見!

<カフェの写真>

カフェで美味しいケーキを頂いてから、今度こそ、ヘッヒンゲンへと向かいましょう

1つの車両に、私の他に旅行者らしき団体さんと、数人の乗客が乗り込みます

ヘッヒンゲンまでは1時間半の長旅です

座席は新幹線のような長距離列車タイプなので、私は窓側にゆったりと陣取り、プロイセン王国に思いを馳せるのでした

 

そのときは気づいていなかったのです すでに手遅れだということに

 

しばらくして団体さんは降りていきました

てっきり彼らもホーエンツォレルン城に行くものだと思っていた私は少し拍子抜けしてしまいましたが、特に気にせず、グーグルマップを開いてどのあたりまで近づいたか確認しようとしました

 

・・・ん?

おかしい

あと数十分でつくはずなのに、ホーエンツォレルン城までが遠い

嫌な予感がして、通りかかった車掌さんに恐る恐る聞いてみる

(ゆり)「ヘッヒンゲン?」

( ˘•ω•˘ )「・・・Nein(No)」

 

/(^o^)\わーお

 

え、え、異国の地で高速列車で1時間半も別方向に突っ走ってたの私

しかも

さらにそこから城門までバスに乗って向かうのです

このバスは観光シーズン以外は1日に数本しかないので、もしホーエンツォレルン城に行く方は注意してくださいね(フラグ)

見事な回収っぷり

 

(ゆり)「ヘッヒンゲン・・・」

察してくれる車掌さん
親切にも、ヘッヒンゲンまでの行き方を紙に書いてくれる

( ˘•ω•˘ )「このまま終点まで行って、快速で途中まで戻ってこの駅で乗り換えるのよ」

 

なんと所要時間4時間

ヘッヒンゲンにつくのは3時、城が閉まるのは5時半

 

絶望しかけたけど、間に合わないわけじゃない
バスはもうないだろうけど、タクシーを拾えばいい

私はおとなしく座席に座り直し、終点まで乗る決意をしたのでした

 

ちなみに、後で確認したところ、全く同じ時刻に同じホームから出る列車があって
そっちに乗ってしまってたみたいです

皆さまも、外国で長距離列車に乗る際は、列車番号まで確かめてから乗ってくださいね

出会い、出会い、そして出会い

さて、もう名前も忘れたローカル線の終点駅

めっちゃのどか

次の列車は1時間後

ホームには誰もいな・・・いや、いる!大きいキャリーケースを持ったいかにも旅行者風情の男性がいる!!

あなたも同じ過ちを犯したのね。。と謎の親近感を抱きながら話しかけます

「こんにちは、あなたも列車を間違えてしまったのですか?」

今から考えると相当に失礼な声のかけ方である

「いや、あーごめん、僕はあまり英語がわからないんだ」

 

結論から言うと、彼は電車を間違えて4時間を無駄にした仲間ではなく、単なる出張帰りのお父さんでした

それでも、異国の地で盛大に列車を乗り間違えたアジアンに同情してくれたのか、たどたどしい英語で会話をしてくれます

その途中で、彼の娘さん(1歳くらい)の写真も見せてくれて、

「天使ですね!」
「そうだろう!!」

意気投合

 

そんなこんなで仲良くなり、列車では隣に座り折り鶴をレクチャーしていると
途中駅で乗ってきた大学生っぽい青年が「旅行?日本から来たの?」と話しかけてきました

「はい、そうで「実はこの子盛大に列車乗り間違えちゃったみたいでさー」

勝手に状況を説明してくれるお父さん

もうこうなったらネタにして笑い飛ばすしかないと思い
「いや実はそうなんですよね、ホーエンツォレルン城に行きたいのに、この時間じゃバスもないからタクシーかなーなんて、あっはっは涙」

「えーそうなの、じゃあ僕車持ってるから、送って行ってあげようか?」

 

なんですと?

「うん、といっても駅に停めてるわけじゃないから、一度家に戻って車を取ってこなきゃいけないんだけど、10分くらい待てる?」

 

なんと青年が車を出してくれることになったのです

半信半疑のままついていくと、青年はあるカップルに声をかけます

「ねえねえ、もしかして車で来てるの?彼女が~で困ってるみたいなんだけど、送ってあげてくれない?」

まじですか

青年のコミュ力高い・・・というか君の車で送ってくれるんじゃなかったんかい!

「いやー僕の車だと家まで取りに行かなきゃいけないから」

なんなの、これがドイツのカントリーサイドのコミュ力というやつなの・・・?

ちなみに車の中での会話によると、カップルだと思ってた2人組も初対面同士で、女の子の方を家まで送ってあげるところでした

さらに、カップルはドイツ語しか喋れなくて、青年がずっと通訳
っていうか、青年も一緒に車に乗り込んでました

車に乗るときに、助手席と後部座席とどちらがいいかって聞かれたから、迷わず助手席をチョイス
何かあったら飛び出せるからね!

 

そして何事もなく、女の子を家に届けた後、お城まで連れて行ってくれました

ドイツ人マジいい人・・・

ちなみに青年は私が降りた後に「次は僕の家まで送って行って♪」と無邪気におねだりしてました
何だただのコミュ力おばけか

優しい守衛さんに怒られる

結局見ず知らずの人の車で城門まで送ってもらった後、守衛さんにチケット売り場を案内してもらい、無事にホーエンツォレルン城を訪問することができました

チケットを買うときに、帰りのタクシーを呼んでもらうようにお願いすることも忘れません(だって自分じゃ電話できないし)

ここからちゃんとした?ホーエンツォレルン城見学記が始まります

 

城門からは、ムキムキのシャトルバスに乗って、お城まで向かいます

<バスの写真>

ついた~

<城の入口の写真>

黒鷲カッコいい

 

城壁からは城下町どころか、はるかかなたまで広がる平原を見渡すことができます

<城壁から下界を見下ろす写真> 

 歴代のプロイセン王が同じ景色を見ていたかと思うと、感動もひとしおです

 

お城の中庭から

<中庭からお城を見上げた写真>

 

フリッツ大王!

<像>

 

城内を見学するためにツアーへ

<なんかそんな感じの写真>

 

ホーエンツォレルン城は敷地内にカトリックプロテスタントの2種類の教会があるんですよね

カトリック

プロテスタント

カトリックは豪華絢爛、プロテスタント質実剛健、といったところでしょうか

 

そしてもちろん地下の宝物庫にも行きます!

<軍服>

これが、フリッツ大王が着ていた軍服と、敵の銃弾を跳ね返したという嗅ぎ煙草ケース!!

ここに来られて本当に良かった・・・感涙

 

電車を間違えて予定よりも6時間ほど遠回りをしたけれど、
諦めないでここまで来たかいがあったよ・・・!!!

 

お土産にホーエンツォレルン城のハガキを買いました

<写真>

 

帰りも例のムキムキバスで城門まで降り、そこで予め呼んでもらったタクシーを待ちます

おもむろに近寄ってくる守衛さん
「君がここまで来るときに乗ってた車の人たちは、友人じゃないのか?」

「いや、違いますよ」

「なんてことをするんだ!知らない人の車に女性一人で乗るなんて、危ないだろう」

お説教されました

いや、冷静になって思い返せば、
海外で知らない人の車に自分からホイホイ乗り込むなんて、命知らずにもほどがある

皆さまは絶対にマネしないでください(言われなくてもしないか)

ゆりさんは大いに反省し、守衛さんには
「心配してくれてありがとうございます、もう二度としません」
と約束したのでした

 

それにしても、お城まで送ってくれるよう、知らない人を説得しくれた青年、
お城まで車で送ってくれた男性、
それを見て心配してお説教してくれた守衛さん、

優しい人たちにたくさん会えた日でした

 

プロイセンに感謝!

<遠ざかるホーエンツォレルン城の写真>